2019-11-23 雨 創作 机の上に、折り畳み傘のケースが置いてあった。 そこに収まるはずの折り畳み傘が既に失われてしまったことを、私は知っている。なんせ、電車の中に置いてきてしまったのだから。 主人の帰りを待つかの如くそこに佇むケースを見て、私は憐れみ、そして寂しさを感じた。 11月のある雨の日、私は新しい傘を持って意気揚々と外出するのであった。 すば